〔 おもとの丘奮闘記2023-㉓ 〕
朝晩は寒いくらいに気温が下がるようになりましたが、日中は暑く、一日の温度格差が大きすぎて体調を崩しそうな今日この頃ですが、皆様お変わりありませんか。
前回、「鍋のおいしい季節」鍋にかぼすを使いましょうと書いて,、かぼすの消費拡大をあおったのですが、夏の猛暑の影響で白菜などの秋野菜が高騰しており、鍋はもうちょっと先かなと思っております。
今年、試験的に「黄緑かぼす」を販売してみました
かぼすは8月中旬から10月の上旬まで緑色の状態で販売しますが、10月中旬頃から夜温の低下に伴ってだんだ
んと緑色(葉緑素)が薄くなり、11月上旬ころには黄色になります。これは他の柑橘類も同様で、緑色の時期は
「未熟」な状態で、成熟すると黄色になります。
かぼすは一般的に緑色の未熟果での出荷が多いのですが、最近、まろやかな酸味の黄かぼすの認知度も上がってき
ました。
昨年は1か月出荷を休止しました
昨年の出荷は、緑かぼすの出荷が一段落する10月上旬から完全に黄色になる11月上旬まで、約1か月出荷を
休止しました。果皮の色が変わる「過渡期」では、外観的に販売は難しいだろうと考えたからです。
色の抜けつつあるかぼす (10月26日撮影)
「おもとの丘」のかぼすは、緑かぼすも完熟黄かぼすも購入者の皆さんから好評をいただいていますが、休止期
間中に「今は販売していないの?」という問い合わせもあり、今年は過渡期も販売してみました。結果はイマイ
チでした。
外観がネックか?
過渡期の「黄緑かぼす」は、鮮烈な香りはまだ残っておりかつ、果汁はたっぷり出ますので、家庭で消費するのに
は「緑かぼす」と「黄かぼす」のいいとこ取りで良いと思うのですが、外観が色ムラが出てやや劣ります。
出荷する我々も、これが今の時期の標準ですと胸を張って色ムラのあるかぼすを出荷する勇気はなく、できるだけ
ムラのない緑色の残っている果実を選んで箱詰めしていますが、量に限りがあります。「黄緑かぼす」の出荷は今
年は試験的でしたので、シーズンが終わったら再度検討したいと考えています。
微妙な色ムラがある。
外観はやや見劣りする。
大分県人は、庭や畑にかぼすの樹を植えている人が多く、黄緑だろうが黄色だろうがお構いなしにシーズン中
ずっとかぼすを楽しんでいるのですが、商品にするとやはりちょっと劣るのかなと思います。
緑かぼすも黄かぼすもきれい
しっかり緑色のかぼす、しっかり黄色のかぼす、両方ともとてもきれいです。それぞれにファンがいます。
緑を維持する貯蔵法は確立していますが、それには専用の施設(貯蔵庫)が必要になります。「おもとの丘」で
は、近い将来「選果場」とともに「貯蔵庫」も整備する予定ですが、現時点では「貯蔵庫」はありません。
また、緑かぼすが一番よくて、黄緑や黄色のかぼすは劣っているとは思いません。季節の移ろいとともに、いろ
いろなかぼすを味わっていただきたいと考えています。
(緑かぼす)9月 (黄かぼす)11月
完全に着色するのを待っています
着色を待って11月上旬から「黄かぼす」の販売を開始しますが、もっと寒くなり、野菜の価格も落ち着いて鍋物
需要が盛んになると、黄かぼすの注文もバンバン来るだろうと期待して、十分な量をキープしています。
現在、外観の劣る加工原料用のかぼすを収穫し
ています。
今年は全県的に表年で、加工用原料かぼすの受
け入れが早めに切り上げられるという話ですか
ら、急いで収穫しています。
このブログもここ何回か似たような内容になっていますが、ご容赦ください。
今まさに出荷の時期ですので、こんな話になります。
大分県のかぼす生産者の中には、「かぼすの価格はこの程度やな」とか「年を
取ったからもうやめる」というあきらめの声をあちこちで聞きます。
「おもとの丘」では、この素晴らしい「かぼす」という産品を、もっと全国の
皆さんに知ってもらいたい、もっと生産者の手取りを増やしたいと思っていま
す。そのために、今後もあの手この手で試行錯誤していきます。
〔 おもとの丘の長老 〕
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