( おもとの丘奮闘記㉔ )
毎日選果しています
おもとの丘では8月8日から出荷を開始して、ほぼ毎日選果、出荷をしています。
かぼすは、収穫したものをそのまま箱に詰めて出荷できません。
選果(せんか)して格付けをし、それぞれの箱に入れ価格も差をつけて販売します。
(おもとの丘の選果基準)
「特 撰」・・・傷や色ムラがないもの
「標 準」・・・軽微な傷や色ムラがあるもの
「お徳用」・・・やや大きい傷や色ムラがあるもの(訳アリ)
※なお、お徳用にも入れられないかぼすは、「加工原料」として出荷します。
品質区分の目標は、「特選」1割、「標準」6割、「お徳用」2割、「加工原料」1割ぐらいでしょうか。これ くらいの比率になると、かぼす農園経営も儲かります。
残念ながら、おもとの丘ではまだこの域に達していません。
「お徳用」かぼすを見ると、栽培管理が分かる
お徳用かぼすは訳アリです。傷、色ムラ、病害、虫害等の被害があるかぼすです。選果の際に、お徳用かぼすやも
っとひどい加工原料を見ることで、「摘果、葉摘みが足りんな」「防除の時期が悪かったかな」「剪定が強すぎた
かな」など、栽培の反省をしています。
おもとの丘ではまだスタッフが少なく、栽培、収穫、選果、出荷は同一のスタッフで行なっています。よって、選
果をすることで今年の問題点を自覚し、来年に向けて改善しようとしています。
原因別の障害果
( 風よる傷 )
( 硬い枝等でできた傷 ) (葉か柔らかい枝でできた傷)
風による傷は、よほどしっかり防風林や防風ネットを整備しないと、一定程度出ます。通常の管理不足によるもの
ではなく構造的な問題ですから、園地を開園する特に十分な防風対策の計画を立てることです。(加工原料)
( 色ムラ )
(果実どうしの色ムラ) (葉が広くかぶさった色ムラ)
果実が2~3個くっついて成っていると、接触面が 果実の上にペタッと葉がかぶさったもの。
緑色が薄くなります。 他の傷はないので、「お徳用」。
これくらいは「標準品」に入れます。
(栽培上の反省)・・・もう少し丁寧に「摘果」や「葉摘み」をすれば減らせた。
( 病気 )
ヘタの周りに灰色カビ病等の糸状菌が繁殖し、傷がコルク化したものと思われる。 このようなかぼすはあまり気持ち良くないので、極力、加工原料に落とします。
( かいよう病 )
かぼす栽培で最も恐れる病気。病斑が少しでもあれば青果では出荷しません。
左:斑点が1か所なら加工原料へ 右:原料にもなりません
(栽培上の反省)・・・適期防除ができていたか、薬が十分かかっていたか。
剪定や肥料の量で樹勢が強すぎたのでは。(かいよう病)
まだ完全無欠なかぼすは少ない
上の写真はひどいかぼすばっかりなので、おもとの丘のかぼすはこんなのばっかりかと思われると困ります。
今回は問題のあるかぼすの特集ですので、こんな写真を載せました。
現在でも、「標準品」を5割以上出荷しています。
(特撰品の化粧箱) (完全無欠なかぼす:特撰品)
今年から「特選品」を専用の化粧箱で販売しています。しかし、この箱に入れる完全無欠なかぼすは、まだ少な
いのです。価格も高く設定していますので、まだバンバン注文が来るわけではありませんが、先日、何個か注文
があり準備しましたが、選りすぐりのエリートかぼすを探すのに苦労しました。
おもとの丘はまだ発展途上。毎年園地も拡大し、若いスタッフの能力も日々向上しています。
来年は「特選品」をバンバン出荷できるよう頑張りたいと思います。
しかし、マンパワーが不足しています。
「社長!実働部隊を増やしてくだされ」
( おもとの丘の長老 )
Comments