〔 おもとの丘奮闘記2023-⑩ 〕
本年のかぼすの花は、4月の気温が高めに推移したため、例年より早く5月の始めには開花しているものも
かなり見られました。平年より7~10日ほど早かったように思えます。
今も花が咲いています (有葉花)
5月の上旬に咲いた花は、すでに花弁も落ちてかわいい「幼果(ようか)」になっていますが、同じ樹に現在、ぽつぽつと花が咲いています。
これは「遅れ花(おくればな)」と呼ばれており、かぼすではふつうにみられる現象です。温州みかんや他の柑橘類
では、花はほぼ同じ時期にさっと咲いてさっと散るのが一般的ですが、かぼすはちょっと変わっています。
直花と有葉花
5月上旬に早く咲いた花は「直花(じきばな)」と呼ばれ、昨年発生した枝に花だけが直接着きます。かぼすの花
はほとんど(9割以上でしょうか)がこの直花で、固まって咲きます。
一方、今咲いている花は「有葉花(ゆうようか)」と呼ばれ、新芽が伸びてその先端に花が1つ着きます。他の柑
橘類では、有葉花の比率が高い品種もあります。
( 直 花 )
昨年の春枝に花だけが集団で着く
開花時期は早い (5月上旬撮影)
( 現在の直花果 )
花弁や柱頭も落ちて、小さいかぼす果実
になっています。
(5月25日現在)
( 典型的な有葉花 )
最初の写真と同じです。
遅れ花は有葉花が多い。
( 直花も一部あり )
現在咲いているのは有葉花が多いのですが、
一部に直花も見られます。
今年は花が少ない傾向 遅れ花はありがたい
4月下旬から5月上旬にかけて、おもとの丘の結果樹園(4年生以上、花を着けて良い圃場)を調査して回りまし
たが、事前の予想に反して、花着きにバラつきがあり着花量はやや少ないという結論でした。
しかし、かぼすには遅れ花が咲き、当初よりも収穫量が増える傾向があることは知っておりましたので、ひそかに
期待して待っていました。
今咲いている花は、初期に咲いた花に比べ出荷時期もやや遅れますが、農場全体の出荷量は10~15%程度は増
えるものと見込まれます。ありがたい。
( 現在の幼果 )
この幼果がすくすく成長して、8月中旬から
「おもとの丘」のかぼすとして出荷されます。
かぼす栽培は「生き物」相手の仕事で、かつ気象等の自然条件に大きく左右
されます。思い通りにならないとぶつぶつ言ってもしょうがありません。
過去の経験を糧に、最善を尽くすのみです。
8月からピチピチのかぼすをたくさん出荷できますように。
( おもとの丘の長老 )
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