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画期的な工法 うちのかぼす園造成

〔 おもとの丘奮闘記2025-① 〕



新年あけまして、おめでとうございます。昨年の「おもとの丘」は、全県的な隔年結果(裏年)での出荷量の減少や

猛暑・干ばつで、一部の品種での肥大不良、樹勢低下、秋の高温での着色遅延で黄かぼすの出荷開始遅れなど、まあ、いろいろとありました。今年こそは順調に栽培ができますようにと願っているところです。


ところで、今回は園地の造成について紹介いたします。




山を切り開いてかぼす園を作りました

         ( 植栽後3年目のかぼす園 )


 「おもとの丘」では、大分県一の栽培面積を目指して毎年苗を植えてきました。苗を植えるためには、まず、土地を造成しなくてはなりません。既存の畑は一か所に広大な土地はありませんから、山を削って畑を作りました。




国庫事業で造成しました

 最初の頃は自力や県単事業で開墾しましたが、国の事業のお世話になることになり、理想的な園地になるよう関

 係機関や受益者(おもとの丘)で何度も話し合いをして作り上げました。




( 面(めん)工事終了 )


園地の形を作る面工事は、大型のブルドーザー

やユンボでできました。










( 大量の石 )


表面的にはきれいに見えても、ブルの後ろにリッパ―(爪のようなもの)をつけて引っ張ると、出るわ出るわ

大量の石が出てきました。


これでは畑にはなりません。草も生えないような最悪の

土地です。





  一般的な造成工事では、深さ60cm~1mの石を取り除く除石をし、酸度矯正のために石灰を散布、有機物補

 給のため完熟たい肥を投入してすき込むことをを行ないます。


 しかしこの土地では石が体積の6割以上で、石を取り除いた後の土も、土というよりも岩砕(がんさい:岩を荒く

 砕いたようなもの)で、除石や堆肥投入に膨大な費用がかかり、かつ、作物がすくすく育つ畑になり得るのかとい

 うのが懸念されました。




かぼすを植えるところだけ改良したらどうか

 関係者一同検討に検討を重ね、かぼすを植える列の部分だけ良い土(表土+堆肥+腐熟木質チップ)を入れて、

 通路はそのままにしたらどうかという案が出ました。これだと改良の必要のないところ(作業道部分)はそのまま

 で事業量は減るし、植える部分(うね部)は良い土なので苗の生育も良くなるはずです。




過去に例がないので、各種試験をしました




( 溝の形状 )



幅   1.5m

深さ  60cm










( 土壌改良剤(培土)投入試験 )



溝のメーター当りの培土必要量(㎥)










( 鎮圧試験 )



鎮圧法で、1回では難しく、半分ずつ2回鎮圧

がよいとの結論。










( 土壌硬度調査 )



鎮圧後の土の固さを調査











( 透水性試験 )



雨水がどの程度の時間で浸透するかの試験











実際に工事にかかりました

 各種試験で係数(どのぐらい必要かの数字)が得られましたので、工事にかかりました。




( 溝掘り )














( 排水用穴あけ )



溝の底に排水用の穴をあけている。


ユンボのブレーカーで70~80cmの縦穴を

あけている。








(土壌改良剤(培土)投入)














( 畝(うね)完成 )


畝・・地下部60cm、地上部20cm


作業道の石は表面のみ除去。

土の色が全然違います。








( 苗の植栽 )



土がよければ苗はすくすく育ちます。








 ( 植え付け後3年目の園地 )  生育はとても良い



理想的なかぼす園ができました

 「おもとの丘」では、大規模かぼす園を展開するにあたり、機械化体系による省力化を目指してきました。列の間を5mとって、防除用のSS(スピードスプレヤー)や肥料散布用のトラクター、また、運搬用の軽トラックが園地内をスイスイ走れるようにしました。

また、苗と苗の間は1.5mと密植しており、初期収穫量を上げるための工夫もしています。


今回、このような工法が実現できたことで、事業費はずいぶん抑えられていますし、苗の生育も順調です。

前例のないことはなかなか実現できないのですが、事業主体の県振興局、並びに施工していただいた建設会社の皆さんがこちらの希望を十分に効いていただき、立派な園地ができました。感謝申し上げます。



                            

                                    〔 おもとの丘の長老 〕

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