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新芽がすくすく 草もばりばり

更新日:5月28日

〔 おもとの丘奮闘記2023-⑧ 〕



5月の中旬に入り、気温の上昇と適度な降雨でかぼすの成長が盛んになってきました。植えて3年目までの「幼木」と、4年目以降の「結果樹」では管理方法が異なり、それぞれに今やるべき作業があるため、おもとの丘ではスタッフ一同毎日忙しく作業に追われています。




〔 幼木管理 〕


 新芽(春芽)がすくすく伸びています



 柑橘類は、通常年3回新しい枝が伸びる時期があります。4~5月に伸びる枝を春芽(はるめ)もしく春枝、6~

 9月に出る枝を夏芽(なつめ)、それ以降に出るものを秋芽(あきめ)と呼んでいます。現在盛んに伸びているの

 は春芽です。


 幼木はまだかぼすの果実を成らせずに、樹を大きくすることに専念します。その際に、一番効率的に樹を大きくす

 る方法は、強く長い夏芽を発生させることです。ところが、夏芽は春芽から発生するので、春芽が弱ければ夏芽も

 細いものしか発生せず、貧弱な樹になります。




(元気な春芽)


元気な春芽がたくさん発生しています。

しかし、これを全部残すと1本1本が弱くなり強い夏芽が出なくなるため、適度に枝を抜いていきます。


この技術は、残す枝と落とす枝の判断が難しく、経験

を積まなければできません。






 花も摘み取らなくてはなりません


(幼木に着いた花)


 幼木はかぼす果実を成らせないのですが、弱い枝に

 花が着くことがあります。このまま成らせると樹が

 大きくならないので、花は摘み取ります。


 一度摘んでも、遅く咲く花(遅れ花)があるので、 

 時期をずらして2~3回見回る必要があります。

 結構大変です。





 昨年秋の干ばつからの回復

  上の園地の写真はおもとの丘の4番圃場ですが、昨年、気象の影響で樹が弱ってスタッフ一同大丈夫かと心配し

  ていたのですが、元気な春芽が出て一安心しています。




   ほぼ回復しました。 (2023年5月) 9月の台風で根が揺さぶられ、その後の秋の少雨          で乾燥して弱った樹。    (2022年11月)

  



草が元気すぎる

 かぼすも元気ですが、草もすごい勢いで伸びています。

 よく「雑草のようにたくましく」とか言いますが、本当に雑草はしたたかでしつこい。どこからともなく種が飛ん

 できて、ちょっと目を離すとかぼすの苗が雑草に覆いつくされてしまいます。かぼすの樹が大きくなると樹冠下

 (樹の下)は日陰になってあまり草は生えなくなるのですが、幼木の間は、草管理が苗の成長に大きく影響しま

 す。

 


除草剤と草刈り機を併用



(草刈り機による除草作業)   (除草剤散布作業)                     


 

除草作業は、除草剤散布と草刈りを併用して行っています。一部の消費者の方は、除草剤を大変危険視する人もい

 るようですが、「農耕地用」として登録された除草剤を、基準を順守して使用すれば問題ないと考えます。


 併用する理由としては、

  ①大規模かぼす園では、草刈り作業は膨大な労力を要すること。(除草剤の方が労力は少ない)

  ②草が大きくなりすぎると薬剤が多くいるため、草刈り機で刈る方が経済的。

  ③除草剤には散布できる回数が定められている。

  ④抑草期間(草の再発生までの期間)が違うため、次回の除草作業の労力分散ができる。 などです。




〔 結果樹管理 〕 

 

おもとの丘のかぼす(一部ゆず)の全栽培面積のうち、実を成らせる樹齢に達している「結果樹園」は、現在約半分です。来年になればこの比率はまた高くなります。



花にバラつきあり


今年は春先の気温が高く推移し、かぼすの花も早めに開花しました。


しかし、園地や樹によりバラつきが見られます。すでに花弁が落ちたものや小さい蕾がついたものが混在しています。






(開花直後のかぼすの花)







     新芽の先端に花が着く「有葉果」は遅い  早く咲いたものはすでに「落弁期」            



花が咲く前に「かいよう病」の防除を2回 

 昨年、一部の園で「かいよう病」が発生して、かぼす果実を廃棄せざるを得ないことがありました。今年はそんな

 ことのないように越冬菌(昨年から持ち越したかいよう病菌)を叩くため、開花前の防除を徹底しました。

 今年はきれいなかぼすがたくさん収穫できるとよいのですが。


花着きもバラつきあり

 今年はたくさん花が咲いて収穫量も増えると思っていた園地が意外と花が少なかったり、かぼすの着花生理は難し

 いとつくづく感じています。あまり刺激せずに静かに見守って、着いた花を最大限大事にしていきたいと思ってい

 ます。




        色々なことがあるのが農業です。気象等の影響もあり、決して順風満帆ではありませんが、

        一つ一つ改善していけばよいことです。

        かぼすは一度植えれば経済寿命は30~40年です。栽培技術は、数年や、ましては数か月

        では決して身に着けることはできません。

        今春から新たに2名スタッフが増えました。彼らが技術を身に着けるのはもうしばらくかか

        ります。私も老体に鞭打って、もう少しスタッフを鍛えようと思っています。

            (※まだそんなによれよれの年寄ではありません。)  

                

                                   ( おもとの丘の長老 )


         

          

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