( おもとの丘 奮闘記㉙ )
グリーンかぼすの出荷はほぼ終了
おもとの丘では、緑色のかぼすのネット販売をほとんど9月22日前後で終了しました。完売により終了というこ
とにしました。一部では時間差がありパラパラと注文がありましたが、もうすぐ終わります。
かぼすは成熟に伴い緑色がだんだん薄くなり、緑→黄緑→黄色と徐々に果皮の色が変わっていきます。例年ですと
10月上旬くらいまでグリーンかぼすで販売可能なのですが、早めに終わらせてしまいました。
かぼすはまだあるが、大きいのです
ネットの各種サイトでまだまだご注文はありましたが、出荷を切り上げざるを得ませんでした。非常に残念です
が、標準的なちょうどいい大きさのかぼすがほぼなくなったのです。大きいかぼすならまだあります。
(大きいかぼす) これは4Lクラス250g前後あります
(パラパラ成り)果皮が荒い (天成り果)樹の上の方で上を向いて成っている
かぼすの標準的な大きさは?
かぼすの大きさは、標準品種の「大分1号」で1果約80~100g程度、1㎏当り10~12個、また種の少な
い品種「香美の川」で1果70~80g、1kg当り12~14個というところが平均的な大きさです。それに比べ
て200g以上というのは、かなり大きいかぼすと言わざるを得ません。
なぜ大玉が多いか
この大玉問題、おもとの丘だけではなく他の農家からも同じような状況を聞いています。原因はいくつかありま
す。
〇隔年結果で成りが少ない
今年、大分県下のかぼすは裏年(うらどし)と言われています。かぼすや他の柑橘類では、隔年結果(かくね
んけっか)という現象が見られます。これは、去年は花が多かったが今年は少ないと、着果量・出荷量が年に
よって上下することを言い、農家個人の栽培管理にも原因がありますが、多くは気象条件によって引き起こさ
れるといわれています。
おもとの丘でも、この園地は去年あまり成らなかったから今年はたっぷりなるだろうと思っていたら、あまり
成っていなかったり、バラツキが大きかったのです。前にも書きましたが、「かぼすの花は気まぐれ」なので
す。
1樹当りの果実が少ないと、少ない果実に養分がたっぷり行くので大きくなります。
適度な大きさは、適度な着果量であることが必要です。
〇幼木で樹勢が強い
おもとの丘では、苗を植えてから3年間育成し4年目から果実を成らせるようにしています。農場としては
昨年から出荷していますが、これは、5年目のⅠ期と4年目のⅡ期が結果樹齢になったのでここから収穫し
ています。
4年目、5年目はまだまだ子供。栄養生長(えいようせいちょう:体を大きくする成長)が盛んで、生殖成
長(せいしょくせいちょう:花を着け、実を成らすこと)は苦手なのです。10年以上の樹は成木と呼び、
樹勢が落ち着いて花も着きやすくなります。
さて、大玉かぼすをどうしよう
(きれいだがデカい) (2kg箱に入れるとフタが閉まらない)
グリーンかぼすでの販売は終了しましたが、この大玉かぼす、まだあきらめたわけではありません。せっかく成った
かぼすを、消費者の皆さんに青果でお届けしたいと考えています。
〇黄かぼすで販売
かぼすは10月中旬頃から徐々に緑色が薄くなり、11月には黄色になります。「えっ かぼすって黄色く
なるの?」という人もいますが、かぼすは他の柑橘類と同様に、熟れると黄色くなります。それに伴い、果
汁の量が増え、酸味がまろやかになります。
やや寒くなった時期に、この黄かぼすを絞って醤油、だしと合わせ「生しぼりポン酢」を作って鍋を食べる
と、市販の瓶詰めのポン酢なんぞ比べ物になりません。
黄かぼすの時期になったら、ネットでの販売を再開します。
たくさんのご注文をお待ちしています。
〇加工原料で出荷
できれば黄かぼすで全量売れると良いのですが、売れ残ると困るので、農協に加工原料としての出荷も考えて
います。しかし単価はキロ当たりウン10円で、青果で売る時の単価の数分の1になります。傷が大きかった
りする果実は加工原料で引き取ってくれることは大変ありがたいのですが、ただ大きいというだけで青果で売
れないのは残念です。
かぼすの樹で4~5年生というのは、人間でいえばまだ中学生くらいかな。
中学生に「元気を出すな」「落ち着け」「飯をいっぱい食うな」と言っても
無理だろうな。
とは言ってもこのままでは困るので、来年はうまくコントロールしたいと
思っております。
( おもとの丘の長老 )
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